| 2007年、愛すべき本たち。 |
2007年最後の日。ってことで、今年読んだ本の中で心に残ったものBEST3をピックアップしてみました。結果は以下の通り。
■第1位■
やっぱりこれ。これ! 短編なのに、静かなのに、凄い力で吸い寄せられるように読破した1冊。丁寧な言葉で静けさ、エロス、恋、嫉妬、を綴られております。句読点を打つ場所も絶妙。
「改めて弟子丸氏を見ると、顔や身体つき全体の雰囲気は、彼の視線ほどには印象的でなかった。すべてがすっきりと整っていて、すきがなかった。肌の色、髪の色、耳の形、手足の長さ、肩のライン、声、どこを取ってもバランスが取れていた。なのになぜか、わたしを油断させない、危うい感じが漂っているのだった」(P18〜19)
↑この描写、なんか私の氏の姿とかぶっちゃう・・・どきどき。
「弟子丸氏はわたしの標本を大事にしてくれるだろうか。時々は試験管を手に取り、漂う薬指を眺めてほしいと思う。わたしは彼の視線を一杯にあびるのだ、保存液の中から見える彼の瞳は、一層澄んでいるに違いない。」(P90)
だけど、やっぱりこの一文に心奪われました。↓
「自由になんてなりたくないんです。この靴をはいたまま、標本室で、彼に封じ込められていたいんです。」(P87)
私も自由になんてなりたくないんです。永遠に氏によりかかっていたいんです。無理だろうけれど・・・
■第2位■
あの「白夜行」の続編と噂される1冊。長かったけど面白かった!ファン&読書好きの間では圧倒的に「白夜行」の方が評価が高く、「幻夜」はあまりよろしくない。が、私は「幻夜」の方が好き。面白いと思う。もう読みながら何度背筋がゾクゾクしたことか。
「あの大震災の朝、彼女は決断した。あれだけの恐怖と混乱に包まれながら、彼女だけは冷静に状況を分析し、自分が生まれ変われるチャンスにある事を確信したのだ。(中略)見事だった、としかいいようがない。幸運にも恵まれていたのだろうが、卓越した判断力と洞察力、それに何より精神力がなければできないことだ。彼女がいかにしてそれほどの力を身につけたのかは、雅也には見当もつかない。生半可な半生を歩んできたのではないことは確かだ。おそらくこれこそが消したい過去でもあるのだろう。」(P509)
ちょっとネタばれ? まあいい。 随所随所に「美冬」が「雪穂」であることを示唆するキーワードが盛り込まれている。 果たして美冬は雪穂なのか? 私はといえば、間違いなく美冬は雪穂だと思います。はい。 美冬(雪穂)だと思うからこそ、美冬がいろんな人を不幸にしながらも自分が望む姿を手に入れることができてよかったと思うのであるよ。
「いいえ、こんなに素晴らしい夜は初めて。幻みたい」(P524)
白夜を歩んできたもんね。
■第3位■
室井佑月さんの作品。初めて読んだ。ご自身が銀座のホステスをなさっていたこともあり、おおいにリアリティありの1冊。全体的にヒロインが夜の銀座に飛び込む過程・心理、銀座のシステム、お姉さんホステスたちとのやり取りなどをうまく網羅している。何より、銀座の女の現実をグロテスクな部分はできる限りオブラートにくるみつつ、こんなにわかりやすく書ける人はそういないんじゃないかな。そういう意味でも室井佑月って女性をとことん見直したし、他の作品も読んでみたくなった。うん。
「いまどき人殺し以外は、失敗しても謝ってすまないことなんてないわ。でもね、その後が肝心なの。わかる?」(P94)
わかんないよ。だけど私はリュウよりサユリが好き。「ただ笑うだけ」のサユリのしたたかさと冷たさと人間の小ささが好き(笑) まあ、そういう役回りの登場人物がいないと、物語もここまで面白くならなかったんだろうね。
以上。
今回は本だけのランキング。さて2008年はどんな本たちに巡り合えるかしら?
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| *プロフィール* |
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Author:恋する甘い毒林檎。(Towaco)
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異国情緒あふれる神戸在住、 1980年夏生まれの乙女座A型女子の林檎ことTowacoです。
洋館好きなので、この地に住めて幸せです。
趣味は読書と映画鑑賞、海外セレブのゴシップウォッチ!
一日中BGM代りにつけていられる音楽と映像の美しい、静けさ漂う淡々とした映画が好きです。
20代で素敵なオジ様(おじぃ様?)と結婚し、30代を浮世を忘れた隠居生活を送り、40代で夫に先立たれ未亡人となり、40代前半でぽっくりあの世に行くことを夢見てます。えへ。
果たしてこの夢は叶うのか!?
恋する毒林檎、憂鬱ですわ。
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